’99,2月ー高知赤十字病院、 「脳死」からの臓器摘出・移植(1例目)、 ’99.3.15に行われた記者会見から分かる経過


時間
3/15 記者会見で提出された文章
3/15 記者会見場での答弁から  
’99年2月22日
22:00
頭痛

22:34
救急車現着                 
JCS200 BP
(血圧)219/72
瞳孔 右4mm・左6mm 対抗反射なし  

23:09
病院到着
救急医1人当直。脳外科医2人拘束
(院内にいた)。
JCS(ジャパンコーマスケール)200。
痛み刺激を加えると動く。
自発呼吸あり。BP190
以上。瞳孔右4mm左7 mm、 眼光反射なし。
23:13
頭部CT
頭部CT撮影後、拘束の脳外科医が、
患者さんのところに来る。
CTの所見:左の中大脳動脈に動脈瘤があ
って、そこが破れたのではないか。
くも膜下出血が、左から右の方に広がって
おり、左側のところに、6×4×5cm以上
の出血あった。その出血によって脳の中心
部が右の方に押し付けられている状態。脳
攣縮もありました。     
国際基準でいうグレード5で、フィッ
シャーのグループ4にあたるもので、最重
症例のくも膜下出血であるという判断 
23:15
全身けいれん(おそらく再破裂) 
抗けいれん剤、
自発呼吸消失、 人工呼吸開始 、
両側瞳孔散大
医師より説明                      
「クモ膜下出血+脳内出血でおそらく
脳動脈隆の破裂、脳圧を下げる薬を使
い、症状が少しでも改善すれば検査、
になるが、その可能性は低く今は切迫
脳死の状態です」
説明した医師は、当日拘束の脳外科医(経
験20年)手術適応は無理という判断は、
脳内出血だけじゃない、くも膜下出血で脳
内出血が起きている。しかも、瞳孔散大、
対光反射なし、というグレード5でフィッ
シャーの基準でも重症ということが理由。
(注:判断した時期は言及なし。手術不適
  応の判断は、脳外科医と説明した後、
  西山医師が脳外科医と相談して方針を
    決めたと説明)         
23:40
HCU入院。               
治療@人工呼吸A脳圧下降剤B止血剤 
再び自発呼吸かすかにあり   

’99年2月23日
3:00
自発呼吸消失、瞳孔不同なく散大、
尿量1400ml 
尿量1800ml。「脳圧降下剤によって脳
圧を下げると、これがおしっこになってど
んどん出てくるわけですけれども、脳圧を
下げたにもかかわらず、自発呼吸はなくな
ってしまった。おそらく、脳ヘルニアがこ
の時起こっていたのではないか」 
8:00

血圧95/45
9:55
医師より「もう2時間ぐらいしかもた
ないかもしれない」と説明。家族から
アイバンクカード、臓器
提供意思表示カ ードの提示あり  
説明した医師は、前日当直していた救急部
の医師西山医師はこの時から患者さんを見
ている。     
10:00
血圧60/45に低下、
昇圧剤(ドーパミン)
開始12mg/h

10:15
高知県腎バンク協会、 
森下Co(コーディネーター)に連絡

10:36

コーディネータが病院に到着。
血圧 65/40
12:00
血圧80/ 
ドーパミン増量15mg/時間、
 脳波測定→脳波あり 

13:00
ドーパミン 24mg/時間、 
ドブタミン 24mg/時間、に 増量。
尿少なく、利尿剤投与 
血圧上がらないため
14:53
心停止下の腎臓提供の話しを聞くこと
ができることを説明し、家族が(コー
ディネーターの)話しを聞くことを希
望 
この時点では、いつ逝ってしまうか分か
らない危険な状態であった。
17:00
血圧105/50に若干上昇

17:00
頃
森下Co(コーディネーター)が献眼
のことにつきライオンズクラブに連絡

17:25
 西山(主治医)→ 警察
「腎バンク・アイバンク登録及び脳死
下臓器提供意思表示カードをもってい
る生命の危ないくも膜下出血の患者が
います。検視の必要がないと思うが、
心停止腎摘出時に検視が必要かどうか
判断を」 
警察「病院の方に向かいます」との答え。
17:50
コーディネーターから家族に対して、
心停止下の腎臓提について説明
(〜19:00)
説明は、コーディネーター2名(県コー
ディネーターと本部コーディネーター)
が、家族2名に対しておこなった(57
分間)内容、腎臓提供についての医学的説
明、必要な採血、術前のカテーテル挿入、
手術、脾臓リンパ節の摘出について、
など。
18:00
体温、急に40.2℃まで上昇→ 
冷水による胃洗浄

18:53
心臓停止後の腎臓・角膜の提供につい
て承諾(署名、捺印)

19:05
警察が事情聴取

19:30
警察より「検視の必要がない」旨、連
絡あり
検査用の採血を実施
’99年2月24日
2:00
 尿量up(増える)

3:00

心臓停止後の腎臓の適合者検索を行う
4:00

わずかに尿量でてくる
9:00
 脳波測定―→ 脳波あり

12:00
血圧上昇し、徐々に昇圧剤減量、尿崩
症となる。電解質バランスくずれはじ
め、高Na血漿。脳圧降下剤(グリセ
オール)中止、Naなしの点滴に
変更。
 


血圧100位だったのが、上昇しはじめ
て、徐々にカテコラミン、昇圧剤減量。
そして、尿崩症となってどんどん水が出て
いったので、ナトリウムがかなり入った脳
圧降下剤(グリセオール)は、中止。
23日晩から24日まで、尿がどんどん出
てくる尿崩症の状態になってきました。こ
れは、尿崩症の、尿が4000出てくると
いう状態に対して、輸液がこれを追いかけ
るという形で、腎臓不全を回避するという
形でやりました。
’99年2月25日
9:00
脳波測定、 頭部CT
脳波の感度 10マイクロボルト/mm ,
12誘導
11:00
「脳波平坦なようだ。他の脳波判定テ
ストを行ってみます」(無呼吸テスト
についても説明。モニターすること及
び血圧下降などあれば、途中ストップ
することがあり得ることも説明)

12:00
脳死判定テスト(〜12:50)

14:00
御主人に
1)脳死判定基準を満たしているよう
だ。脳死の可能性大
2)頭部CTで出血量増量ないが、脳
梗塞が広範囲に出ている。
3)CRP28.0と高く、レントゲ
ンでは肺炎とはいえないが、 肺炎に
なりかけているかもしれない。
4)脳死下ドナーカード持っているの
で、臓器提供の話を聞きたければ、コ
ーディネーターに連絡しますので、聴
く気になれなければ西山(主治医)を
呼んで下さい。

15:00
家族「コーディネーターの話を聞きた
い」

15:43
コーディネーターから家族に説明
(主治医、婦長同席)
脳死後の提供について、コーディネーター
2名(県コーディネーターと本部コーディ
ネーター)が家族2名におこなった
(107分)
17:55
承諾書

18:40
脳死判定委員の召集

19:15
脳死判定委員会開催判定医2名を選定
する。





 最小条件の確認     
・脳障害の原因が確実に診断されているか
22日と25日のCTで確認       
・深昏睡である   
・自発呼吸消失のため人工呼吸器装着
・必要な治療手段が全てなされていると判
 断
・除外例でないことの確認(6歳以上である
 こと、薬物中毒でないこと、各種麻酔薬、
 中枢神経抑制剤などの影響がないこと)
20:13
第一回脳死判定開始(〜22:30)












T(体温)36.9、
BP(血圧)151/86、
HR(心拍数)105、深昏睡の程度は
JCS 300、けいれんな し、瞳孔固定、
左右とも5.5ミリ、脳幹反射なし、脳波測定
の前に、無呼吸テスト実施。
 無呼吸テスト:10分間呼吸器を外す。そ
の間気管内に酸素を送る。
       PaCo2  PaO2
 開始時、   47.1  469.6 
 終了時、   88.8    441.0

自発呼吸なし、
脳波一部に平坦でない部分を認める。脳波
測  定時間は30分間。
脳波は、12導出、感度は、
10マイクロボルト/mm、
5マイクロボルト/mm、
3マイクロボルト/mm、
2マイクロボルト/mm
((測定時間30分のうちの約3分)
脳幹反応は全て消失
20:30

臓器移植ネットワーク本部で、心臓、肺、
肝臓の適合者検索を開始
22:30
判定医より、「法的脳死判定基準を満
たしていない」との判定

23:00

これまでの手続きは白紙と決定
’99年2月26日
12:00

抗利尿ホルモン投与開始
クレアチン0.8 に下がっていたので、
腎不全は回避できたという風に考えて、そ
して尿量を絞りはじめる治療の方に入りま
した。
12:58
脳波測定(〜14:18) やはり平
坦→ご主人了解のもと他の脳死判定
(無呼吸テストを含む)を行う
もう1回脳波を取ってみましょうと、了承
を得て測定。
やはり脳波平坦。
脳波感度、10マイクロボルト/mmからど
んどん上げて、3マイクロボルト/mm ま
で上げた。
12導出。脳波測定時間は30分間
「ご主人の了承の上で、無呼吸テストを含
む他の脳死判定テストを行ってみようと思
うんですけど」とご主人に了解を得て、脳
死判定テストを行う。
14:48
臨床的に脳死と診断

16:40
ご主人に説明し、臓器提供の話を聴き
たければ西山(主治医)を呼んで下さ
い 

18:00
抗利尿剤(抗利尿ホルモン)ストップ
ストップしたのは、尿量が減ってしまった
ため(抗利尿ホルモン投与時間6時間)
20:30
ご主人より西山(主治医)呼ばれる。
「臓器提供の話を聞きたい」
ご主人の方から「西山先生おるでしょうか」
と呼ばれる。「臓器提供の話を聞きたい」
と。 
20:52
  西山(主治医)―→ コーディネー
ターへ臓器提供の説明依頼 
主治医よりコーディネーターに連絡。
21:40
コーディネーターより家族に対して臓
器提供についての説明 
コーディネーター3名(県コーディネー
ターと本部コーディネーター)より家族3
名に説明。(74分間)主治医も同席
22:54
承諾書
脳死判定承諾書、臓器提供承諾書を頂く。
23:30
脳死判定委員の招集

’99年2月27日
11:12
脳死判定委員会開催 判定医2名選定
する。
最小条件の確認事項は1回目と同じ。
11:40
 第1回脳死判定開始(〜17:45)
T(体温)37.1、 
BP(血圧)124/76、
HR(心臓の拍動数)73、 JCS 300 、 瞳孔
は固定、左右とも5.0ミリ。 
脳幹反射なし、脳波なし。 脳波は、12導
出。感度は、10マイクロボルト/mm、
5マイクロボルト/mm、
3マイクロボルト/mm、
2マイクロボルト/mm(測定時間30分のう
ちの約3分) 
無呼吸テスト:自発呼吸なし 
      PaCo2   PaO2 
  開始時、  45.1    318.6 
  終了時、  85.4    253.6

 聴性脳幹反応消失
17:45

脳死と判定
23:00

ネットワーク本部で心臓、肺、肝臓の適合
者検索の2回目を行う。
’99年2月28日
 1:40
第2回脳死判定開始
T(体温)37.5、 
BP(血圧)120/56、
HR(心臓の拍動数)73、JCS 300 。
瞳孔は固定、左右とも5.0ミリ 。 
脳幹反射なし、。脳波なし
無呼吸テスト:自発呼吸なし
      PaCo2  PaO2 
  開始時、  37.6   342.1
  終了時、  80.3   258.4 

聴性脳幹反応消失 
(?)

脳死であると判定
6:58

レシピエントの意思確認、開始
7:20

本部にて心移植の順番の違いが発覚 。
本部にて心臓の適合者検索の3回目を行う
10:15

コーディネーターが、高知県に搬送に関す
る協力を要請。
10:30

心臓のエコー検査
14:24

手術室入室
14:40

気管支鏡を実施、肺移植には不適合と判断
15:07
摘出手術開始血圧上昇。         
すーっと元の状態に戻るのが早やいんです
ね。上がった時は140,から50には上
がっています。麻酔は途中からしました。
麻酔ガスは一番血圧のコントロールがしや
すので、それを加えました。
18:50

手術終了
19:35

死亡退院


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