英国の小児病院で現在進行中の臓器売買スキャンダル
子どもの臓器を摘出して製薬会社に売っていた |
記事翻訳投稿(S氏2001/1/29)
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英国では、昨年のはじめごろから、かの国を代表する小児病院が親の同意なく死体
から臓器を摘出して研究に用いるという行為を組織ぐるみで行なっていたことが発覚
し、大きなスキャンダルになっています。
今回は、その病院で、手術時に患者から、重要な免疫器官である胸腺を勝手に摘出
して、しかも製薬会社に(寄付の見返りとして)供与していたことがバレて、ますます大騒
ぎになっているという報道です。
日本の医療機関でもやっているのでは、と勘ぐりたくなります。
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Yahoo! Asia - News World
http://asia.dailynews.yahoo.com/headlines/010126/world/article.html?s=asia/h
eadlines/010126/world/afp/Hospital_admits_providing_drugs_company_with_organ
s_from_live_patients.html
生きている患者から臓器を摘出して製薬会社に売っていた、
と病院が認めた
ロンドン発――英国の小児病院が、金曜日(1月26日)に、生きている患者から臓器を摘出して製薬会社に供与していた事実を認めた。この製薬会社は、同病院に金銭寄付を行なっていた。
イングランド北西のリヴァプールにあるアルダー・ヘイ病院は、心臓手術の際に患者から胸腺まで摘出していたと、同病院の広報担当者が語った。
こうした手術で胸腺を摘出するのは異常なことではないが、アルダー・ヘイ病院はそれを、心臓科に寄付していた企業に供与していたのである。
この行為は不安をまきおこし、病院がヒトの身体部品の売買をしていたという告発を促した。
アルダー・ヘイ病院はヨーロッパ最大級の小児病院であるが、すでに、医師たちが死亡した子供から親の許可なく身体部品を切り取って研究に使っていたことが発覚して非難の的になっている。
そのスキャンダルで心穏やかでない親たちが、金曜日に新たなスキャンダルの発覚を知り、恐怖をあらわにしている。
「医者は何の権利があって私たちの子供をあんなふうに扱っているの?」と語るのはポーラ・オウリアリーさん。「子供が死んだあとでさえ、ああいう扱いをするのは患者をモノ扱いするひどい行為だというのに、生きている子供たちに同じことをしていたなんて、患者を愚弄するにもほどがあるわ!」
「こんなにひどい話はない、って思っていたら、次の週にはもっと物騒な話がでてきて、それが止まらないんですもの」と、彼女は不安を訴える。
小児医療管理局のジョン・ハットン氏は、スカイニュースの取材に対し、今回の疑惑を捜査するつもりだと語った。「私も子供を持つ立場なので、同意を取ったかどうかが重要な問題だと思っています。親が同意しているのなら、それは結構なことでしょう。しかし同意がない行為は、まったく許すわけにはいきません。可及的すみやかに真相を究明する必要があります。」
同病院の広報担当者によれば、「場合によっては、複雑な心臓手術を行なう際に、胸腺を摘出せねばならないこともあるのです。」
「たしかに、うちの病院では1991〜93年というごく短い期間に、そうした胸腺を研究材料として製薬会社に提供していました。そしてちょうどこの時期、この会社が心臓科に寄付していたことも事実です。」
しかし彼女は、胸腺を受け取っていた会社の名前や、病院がこの会社から受けていた寄付金の額を明かすことを拒んだ。
だがBBCの報道では、問題の会社は、多国籍コングロマリット企業でフランスに本社を持つアヴァンティス・パストゥール社だという。
胸腺は胸骨のうしろにり首のほうに伸びている“臓器”で、とくに子供の場合は、抗体を産生して血中に送り出し、感染症との戦いを助けている。
しかし思春期に達すると、胸腺は萎縮しはじめる。
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【訳注】━━抗体は「抗体産生細胞」によって産生されますが、抗体産生細胞の活動をコントロールしているのが、胸腺で生み出されるT細胞というリンパ球です。小児の胸腺のはたらきについては、いまだ解明されていないことが多いらしいのですが、私が知るかぎり、「小児の胸腺は抗体を産生している」という記述は、この記者の勘違いだと思います。参考までに、インターネットで見つかった胸腺についての解説を以下に引用しておきます。先天性の胸腺形成不全がどのような症状をもたらすかは、小児における胸腺の機能を知る手がかりになりますが、抗体産生に関係したB細胞にかんする記述(以下に引用中の■■で囲んだ部分)を読むかぎり、抗体産生に決定的な影響がでるとはいえない、という判断ができるでしょう。ただし、胸腺は抗体(液性免疫)とともに免疫機能を担っている「各種免疫細胞の協調行動による免疫」(細胞性免疫)に決定的に重要な役割を果たしているので、胸腺の欠失は免疫に重大なダメージを与えます。
なお、記事のなかでアルダー・ヘイ病院の広報担当者が「場合によっては、複雑な
心臓手術を行なう際に、胸腺を摘出せねばならないこともあるのです」と弁明してい
ますが、胸腺摘出は子供の成長に悪影響を及ぼす恐れがあるので、いうまでもなく、
不要な摘出は一般に行なわれていません。
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引用
http://user.ecc.u-tokyo.ac.jp/~m81068/edu/immu_ppd.htm#45
免疫(immunity)‐病態生理学
医科学独習ノート‐生化学〜精神医学
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1-2. 免疫系の器官
いくつかの組織と器官が宿主防御に役割を果たしており、機能的に免疫系として分
類されている。哺乳類では、一次リンパ器官は胸腺と骨髄である。
◆一次リンパ器官
免疫系のすべての細胞はもともとは骨髄(bone marrow)に由来する。多能性幹細
胞はリンパ球、顆粒球、単球、赤血球そして巨核球などのポピュレーションに分化する。ヒトでは、抗体産生細胞であるBリンパ球は初期に骨髄中で抗原に依存せずに免疫担当細胞に分化する。多能性幹細胞ないしそれより発達する種々の細胞系列の不全状態や機能失調により、様々の表現型と重症度を示す免疫不全症が起こってくる。
胸腺(thymus)は、胎生第3、4鰓嚢から生じ、Tリンパ球を産生する機能をもち、Tリンパ球が分化する最初の場である。その網目状の構造を通って多数のリンパ球が移動し、完全に免疫能をもつ胸腺由来細胞になっていく。多数の細胞は胸腺内でクローンの除去を受ける。この際自己反応性リンパ球クローン(例えば自己抗原と反応する細胞クローン)が消去される機構が働く。胸腺はまたさまざまな可溶性ホルモンを分泌して免疫機能を制御している。胸腺ホルモンはTリンパ球の分化を促進し、Tリンパ球媒介性免疫に必須である。
◆◆A-2. 先天性胸腺形成不全
(congenital thymic aplasia)[DiGeorge's syndrome;ディジョージ症候群]
この症候群では、免疫不全のスペクトラムは広く、臨床的に明らかな症状を示さないものから典型的な低毒力の微生物による重症な生命を脅かす感染を起こすものまである。この場合の免疫不全は胸腺の以上の結果起こるもので、それは咽頭穹の胎生期発達の欠陥で心臓血管系と内分泌(副甲状腺)系の形態的な異常を伴っている。完全に症候群を現している患者では胸腺Tリンパ球の成熟障害による高度のTリンパ球減少症、重度な細胞性免疫の低下、抑制性Tリンパ球活性の低下を示す。■■Bリンパ球の数と形態は、免疫グロブリン産生とともに、大多数の患者では障害されていない。時に患者は軽度の低グロブリン血症を示し、免疫応答性は弱いか欠けている。■■
DiGeorge症候群は免疫異常の有無によって完全と部分的とに分けられる。患者は典型的な場合、関連する副甲状腺機能低下、低血清カルシウム、そして高血清リンによって起こってくる新生児テタニーやてんかんをもつ。それに加えて、患者は多発性の解剖学的心異常や小顎症、両眼隔離、耳介突出を伴った目の位置の低下それに短い人中などの顔貌異常を示す。罹患した小児は非常に早期から免疫不全の兆候や症候群を示す。 |
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